説明
1950年代経営悪化と労働争議でエピフォンは工場を閉鎖し、そのエピフォンを離職した職人の参加を得てギルド・ギターは設立されました。伝承された技術の確かさからアコースティックギターと箱物エレキギターのメーカーとして次第に知名度を高め、1960年代の後半にはロードアイランド州ウエスタリー(Westerly )に工場を移転。1970年代から80年代にかけてはマーチン、ギブソンに並ぶ人気の高いブランドに成長しました。
このD-55は1968年にTVモデルとして生産が始まったモデルで、当初はカスタムオーダーモデルでしたが1974年頃からレギュラーカタログモデルとなり、ギルドフラットトップのフラッグシップとしてながく継続生産されて来ました。その秘密は楽器自体に重量があり、それがこのタイトでパワフルなサウンドを生んでいます。土臭く力強い低音を持つGibsonとは異なる芯の太い低音を持ち、華麗な高音部のMartinサウンドとも異なる芯がありアタック感の強い高音を備えた、ギルド独特のサウンドを誇ります。日本でもギルドを愛用されるアーチストが多く、特にこのD-55は井上陽水がデビュー時に使っていたので有名です。エッジの効いたタイトで芯のある鳴り、繊細な歌と表情豊かな演奏がこのギターの特徴と合っていましたね。
綺麗なポジションマークインレイとパワフルで華やかな力強いサウンドでも高い人気の楽器ですが、元々生産数量が少なく、近年ではなかなか入手困難な楽器です。特に1979年までのシリーズは近年アメリカでも価格が高騰気味で一層入手が難しくなっております。今回の楽器はシリアル195463から1979年製です。グルーンヴィンテージギターガイドよると1970年から継続していた通し番号形体のシリアルが、1979年10月1日からナンバリング形体が変わりましたので、その最後の年になります。
手に取るとずっしりとその重さが伝わります。アルペジオでも音の輪郭の確かさに驚き、軽くストロークすると飛び出す音がただ者ではない予感。そして、強くストロークすると爆発するようなサウンドが部屋中に響き渡る。トップ板は渋く飴色に焼け45年の歳月を物語り、ネックに目をやるとヘッドのホワイトパールの「G」マークインレイ、指板にはホワイトパールとアバロンのコンビネーションインレイが輝き、オリジナルシャーラーゴールドペグが目に眩しい!それなりに使い込まれてはいますがネックもストレートで弦高も低めに設定され、小傷はあるものの綺麗な状態です。ブリッジ剥がれ修理履歴が1回有ります。専用ハードケース付。
【ボディ】
全体重量は約2.7kg。ボディトップはシトカスプルース、サイド/バックはローズウッドを使用しています。ブリッジはエボニー材を使用しています。ブレーシングはノンスキャロップドのXブレーシングを採用しておりブレーシングは当店にてチェックして問題有りません。トップコートはヴィンテージ感のある飴色、ピックガード周りにウェザークラック、打痕等細かなキズがみられ、比較的きれいながらもオールドギターらしい雰囲気の良いコンディションをキープしております。
【ネック】
ネック材はマホガニー2ピース、ネックグリップ側1~3フレット付近に塗装クラックが有りますが、割れではありません。指板材はエボニーが使用されています。ネックバインディングとボディバインディングに経年劣化、「GUILD」ロゴ入りのシャーラーM6チューナーも巻きのバラつきもなくしっかりと機能しています。大きなボディサイズならではのダイナミックな音量と力強さを備えつつ、タッチの繊細さをも持ち合わせた素晴らしい1本となっております。
Weight:2.7kg
Body Material:Spruce 2 piece/Rosewood side/Rosewood 2 piece back
Scale:648mm(25-1/2inch)
Fingerboard/Bridge:Ebony/Ebony
Nut Width:43.3mm(Replaced)
Serial : 195463